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導入事例Case
ヤマトシステム開発株式会社様

「お客さま目線」を実践に変えるUXデザイン社員教育 結果に繋げる全社的な取り組みとは

ヤマトグループのITの担い手として、宅急便をはじめとするグループ各社のシステム開発・運営に加え、幅広い業種にわたる約13,000社のビジネスを支援するヤマトシステム開発株式会社。
「お客さま目線」を何より大切にする同社は、管理職を含めた全社員に向けUXデザインセミナーを、さらにお客さまとの接点が多い社員向けには実践的なUXデザインワークショップを実施しました。
こうした全社的なUXデザイン社員教育の取り組みについて、人材開発部の皆さまにお話を伺いました。

お客さまのニーズ
すでに全社的に共有されている「お客さま目線」をUXデザインの方法論で具体化するため、事例を交えたセミナーや実践ベースのワークショップを実施できるパートナーを探していた。
NCDCの役割
全社員向け・役職者向けにUXデザインセミナーを、顧客接点の多い社員向けにUXデザインワークショップを実施。業務に関連する事例紹介や、実務に即した課題設定も行う。

「宅急便」より先に誕生したヤマトグループのIT部門

はじめに、貴社と貴部門について教えてください。
森田氏:弊社は、宅急便のヤマトグループのIT部門として1973年に設立されました。宅急便よりも年上なんですね。宅急便が始まる前に会社としてすでにシステム化に取り組んでいたという経緯もあり、グループ外のお客さまにも貢献できるよう独立した会社になっています。宅急便に馴染むような流通小売や産直事業者、そのほか金融や地方自治体のような公共系など、お客さまは幅広い業種にわたります。
人材開発部は、4年ほど前に新たに作られた部署です。当時は、世間でも人的資本経営の重要性が強調され始めた時期でしたので、ヤマトグループ全体としてDX人材を育成していこうというミッションで本部署が立ち上げられました。
  • 宅急便よりも年上:宅急便の誕生は1976年。「小口輸送は儲からない」という常識を覆し、「サービスが先、利益は後」の精神から誕生した。

充実の社員教育と「結果に繋がるUXデザイン」の重要性

ウェブサイトを拝見し、充実した教育体系や研修制度に驚きました。貴社の社員教育の概要と、UXデザインの位置づけについて伺えますか。
金子氏:まず研修プログラムについて、会社が求めるスキルや役割を職種ごとに明確に定義していまして、社員一人ひとりが求められたスキルを発揮できるようサポートする教育体制を整えています。次に教育体系としては、ビジネス基盤を強化する「ビジネススキル教育」と、専門性を高めていく「技術教育」という二軸を設けています。
今回NCDCが協力させていただいたUXデザインに関する教育は、どのような位置づけになりますか。
金子氏:UXデザインに関する教育は、全社員向けにやりたいなという思いがありました。社員一人ひとりが、お客さまから選ばれ続けるパートナーであるためにはどうすればよいか?という視点を持ったり、お客さまの立場で考えたりすることは、職種問わず必要ですので。

UXデザインセミナー・ワークショップの実施記録

  • 2024年7月 UXデザインワークショップ実施
  • 2025年2月 全社員向けUXデザインセミナー(オンライン)実施
  • 2025年3月 経営層向けUXデザインセミナー(オンライン)実施
  • 2025年3月 役職者向けUXデザインセミナー(オンライン)実施
  • 2025年8月 UXデザインワークショップ実施
昨年夏にUXデザインワークショップを初実施してから、今年は全社員向けUXデザインセミナー、役職ごとのセミナー、再びUXデザインワークショップと多くの実施機会をいただきました。まずはセミナーの実施目的について教えてください。
金子氏:全体としての目標があり、それを達成するためには各階層に適した研修が必要と考えたため、セミナーは全社員向けのものと、経営者向けのもの、役職者向けのものをそれぞれ用意しました。
全社員向けのものは、UXそのものを知らない社員や、聞いたことはあるけれどよく分からないという社員も多くいましたので、まずその重要性や基本的な考え方を社員全員の共通認識として知ってほしいという目的で実施しました。それから、経営層や役職者向けのものは、社員にUXの重要性や考え方が広まって実際に組織的に推進していくとなった際にサポートが必要になると考えたため、そうしたサポート役の人たちに理解してもらうということを目的に実施しました。
ワークショップの目的についても教えてください。
金子氏:ワークショップは、実際に手を動かして、自分の業務に当てはめて推進していくスキルを身につけてほしいと考えました。ペルソナを作って、カスタマージャーニーマップを作って、といったフレームワークや手法を、実際のお客様を題材にして体系的に学んでもらう機会にしようという目的です。
これまでにも、全社的にUXデザインを学ぶ機会を設けられていたのでしょうか。
東條氏:システム開発部門やカスタマーサポート部門といったそれぞれの部門で、必要なタイミングで実施していたので、全体で取り組む機会というのはNCDCさんに入っていただいた今回が初めてだと思います。
もともとNCDCはシステム開発部門の方でUX/UIデザインの支援をさせていただいていました。その中で貴社のメンバーにデザインのスキルをお伝えする取り組みを行っていたことから、人材開発部の方にNCDCを知っていただいたと伺っています。NCDCを研修の方でもパートナーに選んでいただいた理由を伺えますか。
金子氏:理由は三点あります。まず一点目が、NCDCさんが知識のインプットだけでなく、実践的なワークを研修の中に設定されている点です。二点目が、講師の方々が現役で実務に当たられていて専門性が高い点ですね。私達もワークショップの中で具体的に何をやっていくのか漠然とはイメージしていたのですが、それを具体化して、実際に開催するまで手厚くサポートしていただけたのがよかったです。それから三点目が、先ほどおっしゃっていた通り、別部署への支援をしていただいているということで、弊社のビジネス特性を深く理解いただけている点でした。
森田氏:私の中で決定打となったのは、やはりUX/UIデザインの支援で実績を出してくださっているという点です。NCDCさんにデザインの支援をしていただいたシステムは利用者からの評判が非常によかったと聞いて、こんなに結果を出してくれる会社なんだな、というのが印象にありました。
育成のパートナーさんを選ぶ際に、知識に特化した会社さんもあるとは思うのですが、私達としては実践に繋げたい、結果を出したいという思いが強いので、NCDCさんはそこに向けて一緒に動いてくれるパートナーだと感じました。

まずは全社員がUXデザインを知るところから──UXデザインセミナー

ここからは、UXデザインセミナーについてお伺いします。全社員向けUXデザインセミナーの内容について教えてください。
金子氏:先ほどもお伝えした通り、やはりまずはUXデザインを知ってもらうところが大事だと考えました。そのうえで、お客さま目線って大事だよね、と再認識してもらいたかったというのがあり、具体的な事例についてもお話しいただくようにしました。実務に置き換えたら、UXデザインはどんな場面で必要なのかという点を踏まえて説明していただくことで、「お客さま目線」を全社員の共通言語にしていくことを目指すような内容ですね。

全社員向けUXデザインセミナー概要

ヤマトシステム開発全社員向けに、以下のような内容でオンラインにて実施された。

  • 企業として取り組むUXデザインとは?
    • UXデザインとは何か?なぜ重要なのか?
  • どうやってUXデザインを進めていくか
    • ペルソナ、カスタマージャーニーマップ等を含むプロセスの紹介
    • UXデザインを取り入れた要件定義でギャップを最小限にする
    • システム開発プロセスの見直し
  • NCDCが支援したヤマトシステム開発のUXデザインへの取り組み事例紹介
経営層向けUXデザインセミナーを全社員向けのものとは切り分けて実施された意図について教えてください。
森田氏:宅急便の設計思想の中には、「需要者の立場になって考える」というものがあります。宅急便が生まれてから50年ほどになりますが、ヤマトグループの文化の根底にはプロダクトアウトというよりもマーケットインの思想、つまり、お客さまにとってどれだけ便利なものをサービスとして提供できるか、というものがあるのだと思います。ただ、それは掛け声だけでは全社員に浸透しませんし、重要性が分かっても具体的にどう行動すればいいかというのは、考え方や手順をきちんと学び、経験する必要がありますよね。現場だけの導入では、部分最適と言いますか、テクニックに寄ってしまうところがある。だからちゃんと思いを込めるためにも、経営層に入ってもらいたいという考えがありました。「需要者の立場になって考える」文化が染み付いている方たちなので、もちろん根底は分かっているのですが、UXデザインという方法論を知ってもらうことで共通言語化したいという意図ですね。
セミナーを実施してみて、ご担当者の視点から感想をお聞かせください。
金子氏:セミナー実施後にアンケートを取ったところ、参加者が非常に満足していることがわかる結果になりました。自由記述の回答の中には、改めて顧客視点の重要性を実感できた、はじめは実際の業務にどんな風に活かせるか分からなかったけれど、こういう風に使えるかもしれないなど、気付きを得たことが伝わってくるものが多かったです。私達のメッセージが伝わって、皆さんの業務に還元してもらえるのかなという期待が持てたので、その点で担当者としても満足しています。

実務を題材に業務改善に取り組む──UXデザインワークショップ

ここからは、UXデザインワークショップについてお伺いします。UXデザインワークショップを実施してみて、率直な感想をお聞かせください。昨年、今年と連続で実施していることに加え、ワークショップ実施後にアクションプランを立て、社内向けの中間報告や情報共有会が設定されているのも特徴かと思います。

UXデザインワークショップ概要

2日でUXデザインの手法を体験するワークショップとして、5チーム23名が参加し、オフラインで実施された。
2日間のワークショップの後は、1週間後までにワークショップ内で作成したアウトプット(改善後の姿)とアクションプラン(実践スケジュール)を完成し、翌月中旬に中間報告を実施。その後、社内向けの情報共有会も行った。

目的・ゴール

  • ユーザー視点に立ち、サービスやプロダクトに求められることを検討するUXデザインのプロセスを体験する
  • 各グループが担当する顧客・サービス・プロダクト等の改善後のイメージをアウトプットする
  • 改善活動に向けてのアクション定義を作る
2日間に渡り実施されたUXデザインワークショップの研修内容
金子氏:昨年と今年とで2回実施させてもらっているのですが、やはり実業務を題材としていることが大事だと思っています。架空の題材で手法を学ぶというのもやり方としてはあると思うのですが、せっかくプロの方々にアドバイスいただける環境なので実務をベースにワークショップを設計していただいています。その結果、受講者の意欲も高くて、講師の方を捕まえて休み時間に質問をしたり、質問して分かったことをチーム同士で共有したり、自分たちの業務に誇りを持って取り組んでいるんだなというところが、改めて伝わってきました。
チームでペルソナ作成に取り組んだ際の様子
東條氏:私は、上司側の指摘の質が以前より上がったように感じられたのが印象的でした。受講生の発表に対して、お客さまの課題を深堀りできているか、お客さまの立場に立って考えられているかという指摘が上司の側から入ったチームがありました。指摘を受けたメンバーはアイデアを再考することに決めたようです。ワークショップの受講生に学びがあるのは当然といえば当然なのですが、それだけでなく、上長にもその視点や考え方が身についてきているという意味で、全体的なレベルアップが図れているのかなというのが、情報共有会まで終えてみての感想ですね。
森田氏:そうですね。そうした小さな変化が、文化を作る一歩という気がします。ペルソナやカスタマージャーマップといった、これまでは日常的に登場しなかった語彙が共通言語として飛び交うようになってきたことは、UXデザインの手法や考え方が浸透してきているんだなという実感に繋がっています。
受講者からの感想も伺えますか。
金子氏:最も多く聞かれた感想は、問題意識はあってもこれまで曖昧に捉えていた「お客さま視点」を、UXデザインの手法を学ぶことで、お客さまの困り感やニーズの奥深くにある悩みや課題にアクセスする具体的な手立てとして得られた、というものでした。それから、普段は個人で考えることの多い受講者が、グループワークによって、いろいろな職務の担当者と話し合うことで、新たな視点に気付く良い機会になったと言う声も多くありました。
チーム間で情報共有する成果発表の様子
UXデザインワークショップに関して、今後取り組むべき課題などがあれば教えてください。
金子氏:文化を醸成するには繰り返して定着させる必要があるので、続けていきたいなと思っていますが、私達のチーム自身も育成スキルを上げていかなければならないので、今後はそこも自覚しながら進めていきたいです。
東條氏:今回は実務レベルで、自分たちにできることという範囲の内容だったので、改善案が部分最適になったチームもあったように感じました。次は、全体のプロセスを俯瞰的に見たうえで、どんな課題があるのかを掘り下げるような、もっと視座を高くした取り組みにできるとよいかもしれません。ワークショップなので、安心して失敗もできるわけですから。
森田氏:今回のワークショップでは職務別にチームを作ったのですが、ソフトウェア開発、お客さまサポートという風に機能別に人を集めるのではなく、担当プロダクトの開発、営業、サポートという多様な役割のメンバーを束ねた方が、チームとしての一体感 が出やすい気がしました。次はそうしたチームアップの工夫をしたいです。

UXデザインを取り入れた開発プロセスの変革

最後に、ヤマトシステム開発として挑戦していきたいことや、NCDCへの期待について教えてください。
金子氏:セミナーやワークショップの開催という教育の他にも、社内的にUXデザインをもっと広めていこうという活動をしています。実務レベルで展開していくためにはどうするか議論しながら進めていきたいので、引き続きNCDCさんにご協力いただきたいです。
東條氏:NCDCさんには、常にアップデートされていく最新のUXデザインの手法についても情報提供いただきたいです。それから、UXデザインだけですべてが解決するわけではないと思うので、どんなスキルを身に付けておけば要件定義や設計などの上流工程の質を高められるか、今後はUXデザインに限らないさまざまなフレームワークも組み合わせて広い視野でご提案いただけると嬉しいです。
森田氏:従来のソフトウェア開発は、お客さまの課題から要件を定義して、設計書を作り、開発をして、テストをして納品、というプロセスが一般的でした。今回、ワークショップを受講したメンバーから、「今後の開発にカスタマージャーニーマップの検討工程はどこが適切だろうか?」といった意見が出てきたんですね。現場として、業務プロセスを変えなきゃと思ってくれていることが伝わってきました。そうした工程を変えられるのは上司であり経営層なので、今回学んだことを契機に、よりお客さまに寄り添った自然な形で動いていけるよう開発プロセスを変えていきたいと思っています。

森田 明 氏
ヤマトシステム開発株式会社
デジタル開発・運用本部
人材開発部
部長
東條 健 氏
ヤマトシステム開発株式会社
デジタル開発・運用本部
人材開発部 企画推進
マネージャー
金子 亜沙海 氏
ヤマトシステム開発株式会社
デジタル開発・運用本部
人材開発部 企画推進
キャリアコンサルタント

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